過活動膀胱・尿と病気

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過活動膀胱


過活動膀胱/尿と病気


     
§1  過活動膀胱とは/過活動膀胱/尿と病気


      
過活動膀胱は頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁を伴なうもので、我慢の出来ないほどの強い尿意(尿意切迫

      感)が急激に起きてきます。 加齢、前立腺肥大症、骨盤底の脆弱化に関連して多く起きる事がわかってきま

      した。 夜間頻尿は、過活動膀胱の他に夜間多尿、 睡眠障害といった要素が関与するため、治療は難しいと

      されます。




     
* 過活動膀胱は急に尿をしたくなり、我慢するのが難しい尿意切迫感が特徴です。頻尿のほか、尿が漏れてし

     まう切迫性尿失禁になる事もあります。 原因は脳梗塞やストレスなども上げられておりますが、原因不明の事

     が多い。便秘や肥満を改善し、水分摂取にも気をつけなければなりません。排尿日誌をつけて記録する事も大

     切です。 骨盤底筋体操や膀胱訓練を少しずつ行い、トイレに行く時間を徐々に延ばし、膀胱を大きくするなども

     紹介されております。






     
§2  過活動膀胱の検査/過活動膀胱/尿と検査


       
問診尿検査残尿測定膀胱内圧測定などがありますが、尿路感染症膀胱癌尿路結石などとの鑑別

       が重要になります。 その過程で血尿があれば、膀胱癌との鑑別が必要になります。膿尿があれば尿路感

       染症との鑑別のための検査が必要になります。




       
問診;問診で確認されますのは、尿意切迫感、切迫性尿失禁、昼夜の排尿回数などです。尿意切迫感はき

       わめて強い、漏れそうな突然の病的な尿意の事です。切迫性尿失禁には、いわゆるドアノブ尿失禁(玄関の

       ドアを鍵で開ける、トイレのドアノブに手をかける、下着を下ろすなどの時に漏れが誘発される)、手洗い尿失

       禁(炊事や皿洗いで手を水につけた時に漏れが誘発される)という特徴的な症状があります。 過活動膀胱は

       季節に影響を受け易く、秋冬に症状が悪化する傾向があります。




       
尿検査;尿路感染症や他疾患とのスクリーニングのため、まず尿沈査を確認します。尿細胞診や尿培養は

       必要に応じて行われます。上皮内癌との鑑別もされなければなりません。




       
残尿測定;排尿後の腹部超音波検査で、残尿量の確認をします。前立腺肥大症や排尿筋過反射収縮低下

       では過活動膀胱と排出障害の両方の症例を示す場合も、多々あります。残尿測定以外にも、尿流測定、前

       立腺、膀胱、腎臓なども必要に応じて行われます。




       
排尿日誌;毎回の排尿時間、排尿量、尿失禁の有無、状況を把握のために、24時間〜数日に亘って記録を

       とります。 一回の排尿量(平均量、最大量)、尿量(昼間、夜間)などから心因性の頻尿か、多飲多尿などの

       推定ができます。 この方法で侵襲なしで、 膀胱容量の情報が得られます。(過活動膀胱型は覚醒時、就寝

       時共に一回排尿量は減少し、 尿意切迫感や切迫性尿失禁を伴ない、 多飲多尿型では原則、1日排尿量が

       男性で2200ml以上、女性で1800ml以上を示し、 夜間多尿型では、原則として1日尿量の35%以上を就

       寝時に排尿する。 心因性頻尿型では覚醒時のみ1回排尿量が減少し、就寝時や起床後最初の排尿量は正

       常などのパターンがあります。)





       
膀胱内圧測定;膀胱内圧は正常の場合には、最大尿意に至るまでの上昇はわずかで、膀胱壁の伸展性は高

       く、最大の膀胱容量は300〜500mlと考えられております。必要に応じ膀胱内圧測定を行い、膀胱の不随意

       収縮、最大膀胱容量の低下、低いコンプライアンス(容量変化/内圧変化)などの確認がなされる場合もありま

       す。 その際、腹圧負荷(咳、いきみ)、体位変換(仰臥位から座位、立位など)、冷水刺激などの誘発確認など

       も行われます。








     
§3  過活動膀胱の療法/過活動膀胱/尿と病気


       
行動療法;生活指導主体の助言になります。下半身の冷えを防ぐ、トイレへの回数改善、着脱し易い衣服の

       提案、パッド類の推奨などや、心因性頻尿の可能性がある場合には、膀胱訓練(尿意が有る場合でも、間隔

       を引き伸ばす)による自覚推進、水分の多飲による多尿のケースも良く確認されるため、1日の尿量を1500

       mlを目安としたコントロール、推奨もある。





       
薬物療法;薬物は抗コリン薬が中心です。膀胱のアセチルコリン受容体を阻害し、不随意収縮の抑制と膀胱

       容量の増大をもたらす。副作用に口渇(口内乾燥)があるため、継続使用の妨げになる。未治療の閉塞隅角

       緑内障は禁忌とされます。眼科医と相談の上、適正使用の必要があります。高齢者の前立腺肥大症や排尿

       筋過反射収縮低下のため蓄尿障害と排出障害の両方を示す場合には、 抗コリン薬が排尿困難の増悪を招

       く危険性があるため、その旨を医師に正しく伝えておく必要があります。 (薬物の少量からの使用、α1遮断

       薬の先行使用・併用、残尿の定期検査などの方法の適切な選択肢がある)





        
* 骨盤底筋体操;腹圧性尿失禁は 多産、難産、肥満、便秘の女性に多い事が知られております。その腹圧

        性尿失禁が6割以上治るとしている、「椅子に座って出来る骨盤底筋体操」が紹介されております。

        1 椅子に楽に座って、床につけた足を肩幅に開く

        2 背中を真っ直ぐに伸ばし、顔を正面に向け、肩の力を抜きます。

        3 お腹に力が入らない様にし、.と膣を5秒間締めたり、緩めたりする事を1日100回以上、3ヶ月間実施

        する。










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