膀胱腫瘍(膀胱癌)・尿と病気・症状

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膀胱腫瘍(膀胱癌)


膀胱腫瘍(膀胱癌)/尿と病気・症状


     
§1  膀胱腫瘍(膀胱癌)とは/尿道腫瘍/尿と病気


      
膀胱腫瘍は女性より男性に多く発生する傾向のある癌です。しかも50〜70歳代に多く発生する癌で、泌

      尿器系の病気では最も多発する癌です。膀胱癌は尿中の化学物質と深く関与している事がわかっております。











     
§2  膀胱腫瘍(膀胱癌)の症状/尿道腫瘍/尿と病気


       
膀胱腫瘍(膀胱癌)の症状で最も多いのは血尿です。その症状は自分でも確認できる肉眼的血尿で、他の

       症状を伴わない事も多い。これは、痛みは全く感じない
無症候性血尿で、数日〜10日前後続き、収まる事

       を繰り返し、ついには排尿の都度、
血尿を確認する様になります。また、膀胱炎類似症状の膀胱刺激症状

       (
頻尿・排尿時痛・排尿困難)を伴なう事もあります。この場合、多くの場合には、軽快と増悪を繰り返します

       が、
膀胱炎として放置されてしまう可能性があり、注意が必要です。膀胱腫瘍(膀胱癌)が進行してしまいま

       すと、尿管下部の閉塞を伴なう場合には、 側腹部・腰部・背部の鈍痛症状を示す、水腎症を発症したり、骨

       盤腔内に進展する事により、リンパ管や静脈の閉塞に伴なう、下肢浮腫を来たす事になります。その他にも、

       体重減少・神経痛(骨盤神経への浸潤による)・尿毒症(両側尿管閉塞による)などを来たす事もあります。









     
§3  膀胱腫瘍(膀胱癌)の検査と治療/尿道腫瘍/尿と病気


       検査は膀胱鏡による膀胱内部の確認(『乳頭状、結節状、中間型』『有茎型、広基型』など)・尿細胞診

       尿中NMP、尿中BTA、画像診断(超音波検査CT検査、胸部X線検査・胸部CT検査、MRI、骨シンチグ

       ラフィー、点滴静注腎盂造影検査/排泄性尿路造影などの検査方法があります。
)などで確認を進めま

       す。




       検査の一例では、膀胱内部の確認をまず膀胱鏡(cystoscopy)で行います。内視鏡には、硬性鏡と軟性

       鏡があります。検査は簡単な局所麻酔の上実施しますが、軟性鏡は痛みも少なく、外来には適しており

       ます。腫瘍・腫瘍の疑い(異型上皮)・上皮内癌などがあれば治療方針の決定のため、生検を行います。

       生検には硬性鏡が適しております。膀胱内部の確認の後、尿細胞診(尿中腫瘍細胞の有無の確認)・画

       像診断(超音波検査・点滴静注腎盂造影・CT検査・MRI検査)・ 経尿道的膀胱腫瘍切除術の流れになり

       ます。






       
表在性膀胱癌/治療は腫瘍が粘膜の層に留まっている、表在性膀胱癌の段階で治療を開始するのが望

       ましい。 いかに表在性膀胱癌の段階で発見できるか否か、で大きく異なります。治療は経尿道的膀胱腫

       瘍切除術(TURBT)が標準治療で、腹部の切開をせずに尿道から内視鏡を入れて、行います。数日間は

       尿道カテーテルを留置して、尿路を確保します。 術後再発を予防するために抗癌剤あるいは、BCGの膀

       胱内注入を一定の期間継続して、予防に努めます。術後この様な対策をとりませんと、再発率は高い確

       率とされます。薬物の投与は、1回/週 7〜8回累積で行います。その間、定期的検査は継続されます。





       
浸潤性膀胱癌/浸潤性膀胱癌は、腫瘍が進展して粘膜層から、膀胱の筋肉にまで、浸潤してしまっている

       段階のものです。更に進展すれば、あるいはそれ以上に膀胱周囲の脂肪層や臓器・組織にまで及びます。

       治療は殆ど膀胱と近傍のリンパ節・尿道や前立腺などが摘出されます。これにより、尿路変更のための再

       建手術が必要になります。










      
* 膀胱刺激症状様膀胱腫瘍/このケースの場合には、悪性度の高い上皮内癌や進行癌である事が多い。


      * 上皮内癌;癌細胞が上皮内に留まっている状態で、隆起性の腫瘍を形成しないものですが、これは乳

       頭状癌に比して、悪性度が高く、急速に浸潤性・転移性へと移行する事があるため注意が必要。



      
* 尿細胞診;患者さんに負担をかけない検査です。正確な診断のためには新鮮尿が望ましい。異型度の

       高い癌の場合には、陽性率は70%以上と高いが、異型度の低い乳頭状癌では10%以下と低いので、

       年では分子生物学的手法や免疫学的手法による尿検査が考案されている。



      
* 尿中NMP22(nuclear matrix protein 22);膀胱癌細胞の細胞死により放出された核内蛋白質NMP22を

       測定するもので、尿細胞診より感度は良いが特異性に欠ける問題はあります。偽陽性となるケースでは、

       炎症、感染、腫瘍体積や異型度が低い場合などです。短時間で測定できるため外来レベルのスクリーニ

       ングには適しているといえます。



      
* 排泄性尿路造影(点滴静注腎盂造影);この検査での膀胱像では膀胱癌の診断は難しいことが多いが、

       血尿を来たしている患者さんの、他の疾患(結石など)を除外するためには重要な意味があります。



      
* 膀胱鏡;膀胱鏡は膀胱癌に欠くべからざる検査法といえます。また無症候性の血尿を来たしている患者

       さんにも膀胱鏡検査を行う事が多い有用な検査法です。 硬性鏡と軟性鏡があります。膀胱腫瘍の疑いが

       あれば、生検を行います。 軟性鏡は簡単な局所麻酔で痛みの少ない方法として適していますが、生検を

       行う場合には硬性鏡の方が適しています。



      
* 超音波検査;病期診断に有用です。経腹的超音波検査は腹部臓器、後腹膜リンパ節転移、水腎症の有

       無を確認でき、経尿道的超音波検査では膀胱内腫瘍の深達度を評価します。



      
* CT検査;所属リンパ節の転移、肝臓や後腹膜リンパ節転移、肺転移の確認に有用です。



      
* 腫瘍の性状;乳頭状&有茎性→表在性の癌が多い  結節状&広基性→浸潤性の癌が多い

















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