腎嚢胞・尿と病気

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腎嚢胞


腎嚢胞/尿と病気


     
§1  腎嚢胞とは/腎嚢胞/尿と病気


      
腎嚢胞には嚢胞腎(成人型)、単純性腎嚢胞、多胞性腎嚢胞などがあります。







     
§2  嚢胞腎(成人型)/腎嚢胞/尿と病気


       遺伝病である嚢胞腎(成人型)は常染色体性優勢遺伝を示し、殆ど(95%)は両側性であり、腎に多数の嚢胞

       を生じます。この嚢胞腎(成人型)は40歳代までには症状が出現する事は殆ど無く、また、嚢胞は、腎の他に

       肝臓、膵臓、脾臓にも確認されます。 嚢胞が大きくなると、正常な腎組織を圧迫し、虚血を起こす事により、そ

       の部位の腎機能は低下します。これが腎機能低下の原因になります。





      
§2−1  嚢胞腎(成人型)の症状/嚢胞腎(成人型)/腎嚢胞/尿と病気


       嚢胞腎(成人型)では、
肉眼的血尿が高度に伴なう場合があります。(その程度は様々です。)又、一側性、あ

       るいは両側性に背部痛が確認されます。 これは嚢胞により腎が腫大し、頸部が引っ張られる、腎嚢胞内への

       出血や感染などにより出現するものと考えられております。疝痛発作も起こす事がありますが、これは、
血尿

       
のために固まった血の塊が尿管を閉塞して、起こすものと考えられます。 その他、高血圧症状を示したり、腫

       大した腎を感じたり、 腎不全症状により、 腎機能が低下し、慢性腎不全になると頭痛、吐気、嘔吐、全身倦怠

       感などを訴える様にもなります。





      
§2−2  嚢胞腎(成人型)の検査/嚢胞腎(成人型)/腎嚢胞/尿と病気


       腎機能障害や出血の持続のために貧血症状を示す場合が多い。尿の検査では、
血尿蛋白尿が確認され

       る事も相当あります。腎機能障害で尿濃縮力の低下や血清クレアチニン値の高値、尿素窒素の高値も確認

       されます。


       その他、画像診断では腹部単純X線検査、排泄性尿路造影、腹部超音波検査、CT、MRIなどがあります。







     
 §2−3  嚢胞腎(成人型)の治療/嚢胞腎(成人型)/腎嚢胞/尿と病気


       腎機能障害に対し、保存的治療を行いますが、進行によっては血液透析も考慮されます。嚢胞の穿刺吸引

       は巨大化した嚢胞のために尿管の通過障害の原因となっている様な場合には行いますが、穿刺による内容

       物の吸引は 腎機能障害の進行を阻止するためには、効果が無いという事も判っております。 嚢胞腎(成人

       型)は、 30〜40歳代で発症して、 5〜10年で腎機能廃絶に至るとされております。 透析導入後の予後は、

       他の透析の場合と同様ですが、多発性肝嚢胞を併発する場合には、肝不全が予後を決めてしまう恐れがあ

       ります。







     
§3  単純性腎嚢胞/腎嚢胞/尿と病気


       単純性腎嚢胞は、嚢胞腎(成人型)と異なり、腎に発生する嚢胞では有りますが、単発あるいは、数個に留ま

       るものです。1側性、両側性の両方があります。症状は背部痛、腹部腫瘤で、検査も嚢胞腎(成人型)と同様

       です。 画像診断で単純性腎嚢胞と確定診断できれば、原則治療の必要が有りません。嚢胞による症状を訴

       える場合には、穿刺吸引や開放手術、腹腔鏡下の手術も適応になります。 尚、嚢胞壁の不整、嚢胞内部不

       均一などでは、内容物を確認し、血性であった場合や、細胞診で悪性である事が確認されれば、手術的摘除

       模検討されます。







     
§4  多胞性腎嚢胞/腎嚢胞/尿と病気


       腎内部に隔壁が存在する多胞性腎嚢胞は、悪性細胞の存在する確率が高い疾患です。原則として手術的

       摘除を検討します。










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