神経因性膀胱・尿と病気

                                 神経因性膀胱/尿と病気
尿のメモ帳 ページへ
 home(尿と病気)/神経因性膀胱            神経因性膀胱/尿と病気

神経因性膀胱


神経因性膀胱/尿と病気


     
§1  神経因性膀胱とは/神経因性膀胱/尿と病気


      
蓄尿障害、排出障害の両方を持つケースが多い。進行状態では水腎症、膀胱尿管逆流、慢性尿路感染症

      から上部尿路の荒廃、腎不全になるリスクがあるため、充分な注意が必要になります。 又、排便障害や性

      機能障害も注意する必要があります。











     
§2  神経因性膀胱と尿路管理/神経因性膀胱/尿と病気


       
神経因性膀胱では尿路の管理が重要になります。即ち、腎機能の保持のための上部尿路の保全、低圧蓄

       尿、 低圧排尿に近づける、 尿路感染症のコントロール・尿失禁改善などQOL改善のために極めて大切な

       管理です。尿道カテーテルの長期留置は問題が多いので、避けられる限り避け、侵襲の大きい尿路変更

       あくまでも、最終的な手段とされるべきとしています。 適切な尿路管理のために、定期的な尿検査、尿流動

       態検査、膀胱造影、排泄性腎盂造影、超音波検査などが必要と指摘しています。









     
§3  神経因性膀胱の原因疾患/神経因性膀胱/尿と病気


       
脳梗塞、脳出血脊髄損傷二分脊椎子宮頸癌術後、直腸癌術後などがあります。







      
§3−1  脳梗塞、脳出血/神経因性膀胱の原因疾患/神経因性膀胱/尿と病気


       急性期は尿閉である事があります。その後、治療が進むにつれ、自然排尿が可能になって来ますが、過活

       動膀胱頻尿切迫性尿失禁に移行する事が多い。








      
§3−2  脊髄損傷/神経因性膀胱の原因疾患/神経因性膀胱/尿と病気


       急性期は脊髄ショックにより排尿筋無反射状態です。排尿は労力的な理由による尿道留置カテーテルよりも

       清潔間欠導尿(理想的には無菌間欠導尿)から自己導尿、排尿訓練の方向への移行が望ましい。


       回復期では核上型(第2−4仙椎より上位)では排尿筋過活動やDSD(排尿筋括約筋協調不全)となり、核下

       型(第2−4仙椎より下位)では、排尿筋低活動の続く状態になります。(核上型は叩打排尿、核下型では腹圧

       ・手圧排尿による排尿訓練)



       不完全損傷ではバランス膀胱となり、自然排尿で経過する事が多い。



       完全損傷では低圧蓄尿・低圧排尿が保たれず、尿路感染症、膀胱コンプライアンスの悪化、膀胱尿管逆流、

       水腎症のリスクが存在するため、間欠自己導尿を基本に、排尿筋過活動は抗コリン薬で抑える方向性の医

       療機関が増えている様です。 頸椎損傷で上肢機能低下のため自己導尿が不可能で、介助等による導尿が

       困難な場合には、経皮的膀胱瘻の造設を考慮する事になります。







      
§3−3  二分脊椎/神経因性膀胱の原因疾患/神経因性膀胱/尿と病気


       尿路管理は腹圧・手圧の排尿訓練から、自己導尿の方向性にあります。現在では乳幼児期から身内による

       清潔間欠導尿を始め、学童期に自己導尿を習得する方向性にあるとしております。これは腹圧・手圧を続け

       る事により、膀胱壁の変形や、硬化が起こってしまい、低圧蓄尿・低圧排尿が保たれなくなってしまい勝ちの

       ためとされます。 抗コリン薬は尿失禁の治療、低圧蓄尿の目的で使用され、膀胱容量が得られない場合に

       は、腸管利用の膀胱拡大術が検討されます。この際、尿道抵抗性の減衰が確認されれば尿道スリング手術

       あるいは、膀胱頸部再建術が検討され、 膀胱尿管逆流を伴う場合には、逆流防止術が検討されます。間欠

       導尿は上部尿路保全と尿失禁の改善のための排尿方法とされておりますが、何れにしろ、上部尿路の経過

       観察が必要になります。二分脊椎の下部尿路機能障害のガイドラインでは、間欠導尿を前庭に、5歳未満で

       は危険因子の有無で、 間欠導尿+抗コリン薬orオムツ排尿を決定し、5〜10歳では膀胱拡大術、逆流防止

       術、10歳以上では尿失禁手術、禁制尿路ストーマ、MACE法(Malone ACE法)の選択を入れている。







      
§3−4  子宮頸癌術後、直腸癌術後/神経因性膀胱の原因疾患/神経因性膀胱/尿と病気


       子宮頸癌、直腸癌の手術の場合には骨盤神経の膀胱枝の温存は心がけられており、適切な尿路管理で自

       然排尿は可能となる場合が多いとされております。術後は早期に尿道留置カテーテルを抜去して、腹圧・手

       圧排尿を一定時間おきに試みて、残尿を測定します。排尿困難が続くようであれば、自己導尿の指導を受け、

       残尿量により導尿回数を調節してもらう。α1遮断薬は、尿道抵抗を下げ、排尿高率を高めるために良く使用

       されます。場合により、間欠導尿が再開される事もあります。










      
* MACE法;Malone Antegrade Continence Enema法二分脊椎の排便障害、便失禁の値朗に持ちいられる順

      行性洗腸法で 腹壁の挿入口から大腸に直接カテーテルを挿入し、そこから水、洗腸液を注入し、便の流れに

      沿って大腸の中の便を完全に洗い流す。摘便、下剤、浣腸でコントロールする事が出来ない難治例に、適応の

      見当がされる。













 home(尿と病気)/神経因性膀胱


◎ 尿の目視外観や匂い、排尿量、排尿感覚など五感に関連した項目
尿性状 排尿量 排尿困難関連疾患 残尿感関連疾患
血尿 多尿 尿路結石 前立腺肥大症
泡立ち尿 乏尿 尿道結石 前立腺炎
濁り尿(混濁尿) 無尿 膀胱結石 膀胱炎
匂い尿 尿閉 前立腺肥大症 神経因性膀胱
尿一般 神経因性膀胱 尿路感染症
前立腺癌 膀胱結石
.ヘルペス
膀胱癌
尿道癌
排尿一般 誤判断症状(他疾患と間違い易い症状) その他
排尿困難 背部・側腹部痛 残尿感
排尿痛 下腹部痛 頻尿
一般排尿症状 発熱 尿もれ(尿失禁)
過活動膀胱
骨盤臓器脱
腹圧性尿失禁
切迫性尿失禁
溢流性尿失禁
◎ 尿に関連した尿周辺情報
尿関連検査 その他の関連疾患・情報
尿検査 腎機能検査 前立腺肥大症 尿路上皮癌
尿流動態検査 内視鏡検査 前立腺癌 膀胱腫瘍/膀胱癌
腎盂〜尿道検査 腎盂尿管癌
排尿機能検査 内分泌機能検査 尿道腫瘍
前立腺検査 副腎皮質腫瘍
一般画像検査 尿路結核 腎癌(腎臓癌)
その他検査 血液検査 尿路感染症
腎動静脈瘻
腎梗塞
その他の尿関連情報 腎盂腎炎 腎静脈血栓症
尿のメモ帳 透析 急性糸球体腎炎 腎嚢胞
経尿道的手術 慢性糸球体腎炎 腎動脈瘤
化学療法 腹腔鏡下手術 IgA腎症 腎硬化症
放射線療法 腎臓移植 急速進行性糸球体腎炎 腎不全
尿路変更 ループス腎炎 ネフローゼ症候群
尿細管・間質性腎炎 微小変化型ネフローゼ
膜性増殖性糸球体腎炎 痛風腎
半月体形成性腎炎 多発性嚢胞腎
溶連菌感染後急性糸球体腎炎
糖尿病
糖尿病性腎症 クラミジア感染症
尿道炎非クラミジア非淋菌性
慢性腎臓病CKD 間質性膀胱炎



(C)allright reserved -尿と病気-