腎硬化症・尿と病気

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腎硬化症


腎硬化症/尿と病気


     
§1  腎硬化症とは/腎硬化症/尿と病気


      
高血圧が原因で腎臓に動脈硬化が起こり、それが原因で腎障害を起こすものが腎硬化症です。腎硬化症は

      細動脈硬化を起こして惹起される障害で、持続する高血圧により、血管の内腔の細胞が傷つき、血管壁が厚

      くなり、血管内腔は狭くなります。 この細動脈硬化により腎臓の血流が悪くなりますと、腎臓は萎縮し、硬く小

      さくなります。 腎臓内は血管が豊富で、糸球体にろ過する血液を送り込み、糸球体は、血液をろ過して尿をつ

      くります。腎臓の血流が悪くなれば、これらの腎臓の主要な働きが阻害され、腎機能は低下し、最悪の場合に

      は腎不全を起こし、透析導入の必要も出てきます。腎硬化症には良性腎硬化症と悪性腎硬化症があります。











     
§2  腎硬化症の症状/腎硬化症/尿と病気


       良性腎硬化症
;軽症・中等症(軽症140〜159/90〜99mmHg・中等症160〜179/100〜109mmHg)の

       高血圧が続き惹起する疾患です。初期症状は希薄で殆どありませんが高血圧もしくは血圧の上昇が蛋白尿

       や尿異常(尿異常を呈さない場合もある)に先立って現れることが多い。
蛋白尿顕微鏡的血尿は軽度にみ

       られます。高尿酸血症との関連が指摘される場合もしばしばです。早期に発見して治療すれば、腎不全に至

       る事はありませんが、気付かずに治療が遅れますと腎不全にまで進行してしまう事があります。 腎機能低下

       は緩やかに進行します。動悸や頭痛、めまい、肩凝り、不眠などの症状を自覚する段階では、既に末期の症

       状であり、また腎機能障害が進むと
蛋白尿が出るようになります。進行を遅らせるため、腎機能を維持するた

       めには、血圧コントロールが大切になります。 本態性高血圧(原因の特定されていない高血圧)により起こり

       ます。


       良性腎硬化症では、初発症状として
無症候性蛋白尿(21%)、血尿(10%)、ネフローゼ症候群(6%)、急性

       腎不全(15%)、慢性腎不全(42%)、高血圧(51%)、その他(13%)と紹介されております。


良性腎硬化症の特徴としましては、葉間

動脈に、 最もよく認められる筋層の肥厚

が確認される事、 もう一つの特徴は、輸

入細動脈に硝子化した細動脈硬化病変

が確認される事です。これは、葉間動脈

の内腔が狭小化すると同時に、 輸入細

動脈の硬化が起こり、 それにより、糸球

体に到達する血流量が減少して、 糸球

体が硬化し始めるためです。 糸球体へ

の血流量が低下すれば、尿細管の萎縮

や基底膜の肥厚が惹起され、 緩徐では

あるが、この悪循環が、腎硬化へと変遷

させてしまう事になります。









       
悪性腎硬化症;悪性高血圧に合併するもの。進行が急激で、腎機能の低下が一気に進む特徴があります。

       従い、 治療を早期に開始しませんと、腎不全に至ります。症状は頭痛、吐気、嘔吐、意識障害や、眼底出

       血、 視力障害、 呼吸困難なども高血圧により、 視神経が障害される事により、起こる事もあります。
血尿

       や大量の
蛋白尿尿沈渣異常なども起こります。 重症の高血圧の患者さんに 多く発症する事が知られて

       おりますが、 動脈硬化で腎臓の血流が悪ければ、 血流を上げるために、腎臓からレニンというホルモンが

       分泌され、血圧は更に上昇し、腎臓に負担がかかる結果になります。 これにより、腎硬化は更に悪化し高

       血圧は助長してしまいます。 悪性高血圧は放置しますと、 生命に関わる疾患で、降圧薬の投与が必要な、

       緊急措置をとる必要がありますが、 急激な血圧降下は臓器に血液不足を起こす可能性もあり、 専門医の

       厳格な管理下における治療は必須となります。





     
§3  腎硬化症の検査/腎硬化症/尿と病気


       腎硬化症では、高血圧がその大きな原因となっております。そこで、高血圧歴の確認がされ、尿検査尿蛋白

       や血液検査血清尿素窒素血清クレアチニン尿酸、電解質、クレアチニン・クリアランス)で腎機能の確認を

       行います。その他、尿中アルブミンの排泄量増加、 糸球体濾過量の緩徐低下、腎血漿流量の緩徐低下なども

       腎硬化症の診断では、 診断資料として用いられます。 腎硬化症で大切になるのは、 他の腎臓病との鑑別で、

       高血圧による 他の腎臓病も多く有りますので、 その辺を留意し、画像検査やCT検査、腎盂造影検査などで腎

       臓の確認もされます。腎臓が小さく萎縮している様であれば腎硬化症を確定できます。 その他、高血圧性の疾

       患(高血圧が続くと動脈硬化が眼底の血管にも及ぶため)確認のため、 眼底検査で眼底出血や視神経乳頭の

       むくみや炎症なども確認されます。 脂質異常症や糖尿病、 肥満、 ご高齢の方などは更に注意が必要になりま

       す。 (宜しければ、御参考に粥状動脈硬化症もご覧下さい) 血圧の帰趨は 病態を左右する大きな要因ですが、

       ご家庭での血圧測定も、重要です。 血圧は変動しますが、降圧薬の効果が、薄れる時間帯(夜間や早朝など)

       がある事を把握できれば よりリスクコントロールを良好にする事も可能になります。即ち、薬の薬効切れを防止

       するために薬を変えるなどの対策をとる情報を、主治医に提供する事ができます。





     
§4  腎硬化症の治療/腎硬化症/尿と病気


       治療は医師の指示の下で、食事療法や薬物療法(カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、ア

       ンジオテンシンU受容体拮抗薬、利尿薬などの降圧薬、患者さんの病態に合わせた処方になります。)、運動

       療法で血圧をコントロールする事が中心となります。 塩分の摂取制限を守ります。悪性腎硬化症では腎機能

       の急激な低下で腎不全になり、透析療法が必要になるケースもあります。


       良性腎硬化症では目標血圧は130r/Hg未満、蛋白尿が1000r/日以上の場合には125r/Hg未満とな

       ります。食塩摂取量は6〜8g/日以下、 降圧薬としてアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンU

       受容体拮抗薬などを中心とし、肥満や運動不足とならない様に、医師の指示の下に行います。








     
* 粥状動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症);腎硬化症での細動脈硬化の大きな原因は、高血圧ですが、粥

     状動脈硬化が原因(動脈性腎硬化症)で腎臓に障害が出る事もあります。中性脂肪やコレステロールが高い脂

     質異常症(高脂血症)の場合や、糖尿病の場合、加齢の場合に多く確認される疾患です。 軽度では、自覚症状

     は特に無く、重度になりますと血圧が高くなったり、高血圧の人はさらに血圧は上昇し、腎機能は低下します。
















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