腎機能検査・尿と病気

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腎機能検査


腎機能検査/尿と病気


     
§1  腎機能検査とは/腎機能検査/尿と病気


      
腎臓は尿の生成や排泄により、体液の量や成分のホメオスタシス(恒常性)を維持する役割を果たします。こ

      れに伴ない体内の不要な代謝産物が排泄され、水分や電解質の平衡を保ち、関連する身体の基本的な健全

      な機能が維持出来る様になります。腎機能の影響を与える疾患には高血圧、心不全、腎不全など、更に薬剤

      なども影響を与えます。 例えばCKD(慢性腎臓病)患者の腎機能の低下は、メタボリックシンドロームを持つ

      場合、持たない患者の1、5倍高値といわれており、高血圧、脂質代謝異常などの要素が強まるほど危険率が

      高まるという論文も示されております。腎機能検査は、腎機能障害の診断に際しての検査、及び医療サイドで

      は、実際には腎疾患の診断のためより、手術やその他の治療に際して、腎機能が耐えられるかの評価に使わ

      れる事が多い。 泌尿器の領域では、腎臓に加えられる侵襲に備え、左右個別の腎機能の程度を把握する必

      要もあります。腎機能検査は総腎機能検査と分腎機能検査があります。







     
§2  腎機能障害の診断に際しての検査/腎機能検査/尿と病気


血清クレアチニン 腎機能の評価に使用される。GFRを推定できる。
尿中微量アルブミン 腎障害のスクリーニングに重要な検査です。随時尿により検査します。
尿定性検査・尿沈渣 蛋白尿血尿円柱の有無の判定、腎障害の評価に用います。
腎エコー検査 腎形態の異常の評価に用います。また、腎臓の血流から動脈硬化の進行度の判定に有用です。










     
§2  総腎機能検査・分腎機能検査/腎機能検査/尿と病気


T 総腎機能検査
@糸球体機能検査法
  血清クレアチニン 主として筋肉内のクレアチニン代謝で生成され、その大部分は糸球体濾過により排泄されます。尿細管では殆んど再吸収されません。GFRの格好の指標になります。腎機能検査としての信頼性が高い。
  血中尿素窒素/BUN 尿素は蛋白の代謝により生成されます。血中尿素窒素が上昇するのは、腎機能障害により、排泄機能が低下している事によります。
  クリアランス試験 クリアランスとは血漿中に存在する特定の物質が、尿中に排泄されるのに必要な一分間あたりの血漿量をいいます。クレアチニン、イヌリン、マンニトール、チオ硫酸ナトリウムは糸球体で濾過された後に、尿細管での再吸収や分泌は行われること無く排泄されます。従いまして、これらのクリアランス値はGFRを示します。
A尿細管機能検査法
  PSP試験 フェノールスルホンフタレイン(PSP)は主に腎臓の近位尿細管から排泄されています。PSP試験では、PSP静注後、一度の腎循環でほぼ完全に排泄されます。健常者の場合には、フェノールスルホンフタレイン(PSP)は15分尿に25%以上、120分尿に60%以上排泄されます。そのため、近位尿細管機能の評価以外にも、15分値は腎血流量の指標にもなります。
  フィッシュバーグ濃縮試験 遠位尿細管と集合管の尿濃縮作用を評価するため、水分制限をし、抗利尿ホルモン分泌亢進をはかります。検査前日6時以降、飲食物を絶ち、翌朝覚醒時第1尿採尿、1時間安静臥床後第2尿採尿、起床1時間後第3尿採尿します。この各尿の比重(正常値1、022以上)、浸透圧(正常値850mOsm/kg・H2O以上)を測定します。
U 分腎機能検査
@インジゴカルミン検査 青色色素インジゴカルミンの静注により、青色に染色された尿が排泄されるまでの時間を膀胱鏡か尿道カテーテル留置により確認します。静注後、尿管口から尿が排泄される時間(正常値2〜3分/初発)を検査します。
A排泄性腎盂造影法 造影剤の静注後、腎臓から排泄される過程をX線撮影します。これにより、腎実質、腎盂、腎杯、尿管、膀胱の形態を確認できます。また、分腎機能は腎臓からの造影剤の排泄状態により推測が可能になります。
B腎臓核医学検査 放射性標識化合物の静注により、経時的に測定する。
  腎動態シンチグラフィ 腎臓に集積する放射性医薬品を用い、腎機能、形態、尿路通過性などを確認します。速やかに尿中に排泄されます。
  腎静態シンチグラフィ 腎臓に集積する放射性医薬品を用い、腎機能、形態、尿路通過性などを確認します。尿中への排泄が少ないために、主に腎臓の機能的形態の評価に用いられます。







      
* GFR(糸球体濾過量);糸球体濾過量の検査では、一般に内因性クレアチニン、外因性イヌリンが使用され

      る。これらの物質は体内で分解される事は無く、 糸球体で濾過され、尿細管での再吸収も少ない特徴がある

      ため用いられる。(基準値は約100ml/min)



      
* CKD慢性腎臓病;3ヶ月以上持続する腎障害or糸球体濾過量の60ml/min/1.73u以下への低下状態を

      いう。



      
* クリアランス値

      クリアランス値(C)= 特定物質の尿中濃度(U)×一分間の尿量(V)/特定物質の血漿中濃度(P)腎血漿流

      量(RPF)はパラアミノ馬尿酸(PAH)のクリアランス値で計測できます。 なぜならPAHは、一回の腎循環で

      糸球体から濾過と近位尿細管からの分泌で、 その殆んどが排泄されているためです。 そのため、腎血漿流

      量はPAHのクリアランス値とほぼ一致します。






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