内分泌機能検査・尿と病気

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内分泌機能検査


内分泌機能検査/尿と病気


     
§1  内分泌機能検査とは/内分泌機能検査/尿と病気


      
間脳、下垂体、副腎皮質検査系の中にあります尿中の副腎由来ステロイドホルモン、又はその代謝産物の

      測定がされます。
尿中の代謝物は副腎.症候群の確認に供します。 その他、尿中代謝物、尿中排泄物

      の検査による診断、確認には褐色細胞腫の関連検査、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系検査

      発性副甲状腺機能亢進症関連検査などもあります。副腎に発生した腫瘍によりホルモンの過剰分泌が起こ

      れば、夫々の当該ホルモンにより、特有の病態を呈します。 一方、機能低下を来たすと、生命維持にとって

      極めて危険な病態を呈する事にもなります。副腎皮質低下症をアジソン病と称しています。





     
§2  副腎皮質ホルモン分泌調節機能/副腎皮質系検査/内分泌機能検査/尿と病気


     -副腎皮質ホルモン分泌調節機能 模式図-
副腎皮質は視床下部ホルモンCRH-下

垂体前葉ホルモンACTHの@刺激を受

けて Aステロイドホルモン(グルココル

チコイド/コルチゾールなど・ミネラルコ

ルチコイド ・ 副腎性アンドロゲンなどを

分泌します。 すると副腎皮質からのコ

ルチゾールの 分泌量の増加の刺激を

受けて、上記の中枢性ホルモンの分泌

量が低下します。これをBネガティブフ

ィードバック機構といい、 ホルモンの分

泌量の調節がされます。ACTH・コルチ

ゾールの分泌は早朝に高く、深夜に低

い日内リズムがあります。






     
§3  副腎皮質系尿中代謝物/副腎皮質系検査/内分泌機能検査/尿と病気


       副腎皮質機能の亢進が疑われる場合には、血中ホルモンあるいは
尿中の代謝物(多量の副腎性男性ホル

       モン)の測定が行われ、副腎.症候群などの測定異常値が出現しないかを確認します。測定は血中、あ

       るいは
尿中の副腎由来のステロイドホルモンやその代謝産物の測定をする事により判定されます。尿中17

       -ケトステロイド
尿中17-OHCSなどの測定値を確認します。この様に尿による内分泌機能検査もあります。








     
§4  副腎髄質尿中代謝物/副腎髄質/内分泌機能検査/尿と病気


       髄質細胞は交感神経の細胞で、カテコールアミン(神経伝達物質)を分泌します。カテコールアミンには、

       ドーパミンノルエピネフリンエピネフリンの3種類があります。 カテコールアミンは肝臓で代謝され、最

       終的にバニルマンデル酸(VMA)として
尿中に代謝されます。 これらの代謝物などの尿中排泄量の測定

       により(副腎髄質の内分泌機能検査により)、
褐色細胞腫の診断に供されます。 血中・尿中カテコールア

       ミン、エピネフリン、ノルエピネフリンあるいは、 これらの代謝産物であるメタネフリン、ノルメタネフリン、パ

       ニリルマンデル酸(VMA)などの
尿中排泄量を測定して確認します。








     
§5  レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系検査/内分泌機能検査/尿と病気


       
腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、アルドステロン分泌過剰症などの確認、診断にレニン-アンジオテン

       シン-アルドステロン系検査があります。
原発性アルドステロン症の場合は、血中・尿中アルドステロン排

       泄量は増加し、
尿中17-OHCS、17-KS値は正常値、血漿レニン活性は低値を示す事で判定できます。








     
§6  原発性副甲状腺機能亢進症関連検査/内分泌機能検査/尿と病気(ご参考にご覧下さい)


        尿中代謝物、排泄物の確認とは直接の関連は有りませんが、
尿路結石の原因疾患になる原発性副甲

        状腺機能亢進症
では、血清カルシウム値の上昇、血清リン値の低下、血中PTHの上昇が確認されます。

        副甲状腺ホルモン(PTH)は骨代謝における骨吸収、腸管におけるカルシウム、リンの吸収作用、腎尿細

        管に対して、リンの再吸収抑制とカルシウムの再吸収促進作用があります。












     
* 副腎.症候群;男性ホルモンが副腎皮質から過剰に分泌されますと、男児では性早熟、女児では陰核

     肥大などの性の男性化の徴候を示します。 コルチゾール産生に必要な副腎皮質酵素が先天的に欠損して

     いるために、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌され、男性ホルモンが過剰状態になるケースと

     、後天的に副腎皮質癌、腺腫によるケースがあります。



     
* 17-OHCS(尿中ヒドロキシコルチコステロイド);コルチゾール分泌量は尿中17-OHCSとして測定されてきて

     おりましたが、近年では、
尿中遊離コルチゾール測定が行われ、確認される様になっております。コルチゾー

     ルはグルココルチコイドの代表的な存在で、ストレスを受ける事により、主として束状層から分泌されるもので

     す。 グルココルチコイドは、糖新生作用、電解質作用、水利尿作用、血圧維持作用、免疫抑制作用などの多

     くの作用があります。



     
* 17-KS(17-ケトステロイド);副腎性アンドロゲンは思春期の発来に伴い分泌量は増加し、加齢と共に低下す

     る傾向がありま。テストステロンの様に強力な男性ホルモン作用はありませんが、その分泌量はグルココルチ

     コイドについで多く、
尿中排泄量は17-KSとして測定されます。17-KSは、17-OHCSと異なり、構造式は17位が

     水酸基(Oh基)ではなく、ケト基(=O基)になっているステロイド基の総称です。 副腎性アンドロゲンは思春期の

     発来や女性の恥毛、腋毛の発現に関与するものと考えられております。生理作用は不明な点も多い。



     
* ドーパミン;心拍出量増加、心拍増加、血圧上昇、腎血管拡張作用があります。



     
* ノルエピネフリン;強力な血管収縮作用による昇圧作用があります。



     
* エピネフリン;心循環系作用、血糖上昇作用、基礎代謝亢進作用などがあります。



     
* アジソン病;慢性の経過を取る場合、皮膚、粘膜の色素沈着、全身倦怠感、易感染性、低ナトリウム血症な

     どを呈します。原因が下垂体にあるACTH分泌不全や、副腎に一時的な原因があり、コルチコステロイド生成

     の低下起こる場合や、それら両方を示すケースなどがあります。急激な副腎皮質機能低下を起こせば、循環

     虚脱、ショックなど致命的な状態になります。



     
* 原発性アルドステロン症;副腎からのアルドステロンの分泌が過剰になりますと、Naイオンの再吸収が亢進

     するために、高血圧を呈し、血清カリウムは低値を示します。



     
* 褐色細胞腫;20〜40歳代に好発し、性差はありません。副腎原発のものが褐色細胞腫、副腎外の傍神経

     節細胞から発生するものは 傍神経節細胞腫(パラガングリオーマ)と称して、区別する場合もあります。褐色

     細胞腫には両側発生 (多発性内分泌腺腫症の可能性がある→甲状腺癌、副甲状腺機能亢進症の合併や家

     族性の検索、調査が重要になります)、 副腎外発生(悪性腫瘍の危険性が高い)、悪性褐色細胞腫が夫々約

     10%あるとされ、 10%の法則と呼ばれている特徴があります。 褐色細胞腫は通常、皮質腫瘍に比べて大型

     の腫瘍です。褐色細胞腫は、カテコールアミン過剰分泌により高血圧(持続型で昇圧発作を伴なうものも多い)、

     動悸、頭痛、発汗過多、高血糖、基礎代謝亢進、悪心、嘔吐などの症状などがあります。











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